ビジネスアイデアパターン

同一カテゴリーの店舗を集めてモール化


商品の販売やサービスの提供を行う店舗は多岐に渡りますが、あえて同一カテゴリーの店舗を競合の近くに出店することはよくあります。同一カテゴリーの店舗が増加した商店街は、例えば電気街、飲屋街、ブランド街のように、愛称で呼ばれることがありますし、意図的に同一カテゴリーの店舗を集めてショッピングモールにすることもあります。競合との競争が激化するという難しさがある一方で、各店舗を比較して納得した商品を購入することができるため、購入意欲の高い顧客が足を運びやすくなるというメリットがあります。同一カテゴリーの店舗を集めてモール化するという店舗経営方法は、このようなメリットを最大限に活かしたビジネスモデルです。

■アウトレットモール

アウトレットモールは、ファッションやインテリアなどのアウトレット店舗のみを集めたショッピングモールで、三井不動産グループをはじめとする多くの企業が手がけています。売れ残った商品を正規店舗で安売りすると、ブランドイメージの低下につながるため、正規店舗とは別にアウトレット店舗を設けて販売することがありますが、そのような各社のアウトレット店舗のみをひとつのモールに集めました。それにより、流行の最先端ではなくても品質のいいものを安く買いたいという顧客が多く集まるため、競合店舗ばかりが集まっているにもかかわらず、結果的に商品はよく売れます。顧客からの人気は非常に高く、全国にアウトレットモールが増え続けています。

■新横浜ラーメン博物館

新横浜ラーメン博物館は、昭和の街並みを再現した、ラーメンのフードテーマパークです。全国各地のラーメンの名店が多数出店していて、ラーメンに関する展示やショップもあります。常設の店舗だけでなく、数ヶ月で入れ替わる店舗もあるため、顧客にとっては、行くたびに違う名店の味を楽しむことができます。博物館という名前が付いていますが、全国の名店の味を楽しむことを目的に来場するラーメン好きが多く、モール化することのメリットが十分に活かされた施設になっています。

■リサイクルショップモール

リサイクルショップは、ショップごとに取り扱っている商品の種類が異なります。本やCDのリサイクルショップ、ファッションのリサイクルショップ、家電のリサイクルショップなど、多くの店舗が存在します。しかし、リサイクルショップに行く人の多くは、中古品でも構わないので安く必要なものを購入したいという、共通の価値観を持っています。つまり、生活に必要なあらゆるものを、リサイクルショップで購入する可能性があるのです。そこで、百貨店のように、あらゆるジャンルの商品を扱うリサイクルショップモールがあってもいいのではないでしょうか。商品の種類ごとに様々なリサイクルショップを渡り歩いていた人にとっては、夢のような空間になるはずです。また、買取窓口も一本化し、全てまとめて一箇所に持ち込むだけで、商品ごとに適切な店舗が買い取る仕組みを構築することができれば、売りたい顧客にとっても便利な施設になるはずです。

追記:このアイデアと類似したビジネスモデルのショッピングモール「ReTuna」が、スウェーデンに誕生しました。