商品アイデアパターン

ダサいが当たり前の物をモダンなデザインに


インテリアにこだわりを持つ人が増える中、室内の目につく場所に置かれる商品にも関わらず、昔からの伝統や、商品名を目立たせたいなどのメーカー側の都合により、ダサいデザインのものしか存在しない商品カテゴリーがあります。複数のメーカーが商品を出しているにも関わらず、いずれも外観に大差なく、共通してデザインがダサいというカテゴリーは少なくありません。そこで、これまでの慣例、常識を覆し、インテリアにこだわる顧客心理に響くモダンデザインの商品をこのようなカテゴリーに投入することで、手堅い需要が見込めます。つまり、ダサいが当たり前の物を、モダンなデザインにするという、商品アイデアパターンです。

■ボックスティッシュ

ボックスタイプのティッシュペーパーは、室内の目につく場所に置かれることの多い商品ですが、商品名が大きく書いてあったり、カラフルで目立つデザインのものばかりで、インテリアにこだわる人にとっては極めて取り扱いに困るアイテムでした。そのため、デザイン性に優れたティッシュケースに入れるなど、インテリアを意識した対応をしながらも、ケースに入れることが面倒だと感じる人も少なくありませんでした。そこで、アスクル株式会社は、デザーナーによりモダンにデザインされたボックスティッシュを商品化しました。ティッシュケースに入れることなく、ボックスのまま部屋に置いても、モダンなインテリアとして部屋全体の雰囲気を損なわず、非常に高い評価を得ています。

画像引用元:アスクル株式会社HP(https://www.askul.co.jp)

■デザイナーズ仏壇

仏壇は大切な家族の眠る大切なものですが、従来は黒塗りの大型の商品がほとんどで、インテリアにこだわる人にとっては大きな悩みでもありました。そこで、若林商事株式会社の運営するなごみ工房では、モダンなインテリアの部屋にも自然に溶け込むデザイナーズ仏壇を、職人とデザイナーの共同作業で完成させ、商品化しました。コンパクトでモダンなデザインの仏壇は、ひとつのインテリア家具のような存在として部屋にフィットするため、インテリアにこだわる多くの人から、高い支持を得ています。

画像引用元:若林商事株式会社HP(https://shopping.geocities.jp/nagomikobo/)

■テレビリモコン

テレビのリモコンは、部屋の目につく場所に置かれることの多い物ですが、大量のボタンが無機質に並び、カラフルなボタンが所々に点在するという、見栄えの悪い物しか存在しませんでした。そのため、インテリアにこだわる人は、使用しないときは目につかない場所にしまうなど、面倒で取り扱いに困るアイテムでした。そこでソニー株式会社は、ボタンのないデザイン性に優れたテレビリモコンの開発を続けてきました。まずは、ボタンが配列された面を下向きに伏せて置くリモコンを開発し、部屋に置かれた時のインテリア性を大幅に改善しました。そして、更には、そもそもボタンを必要としないタッチパッドリモコンを開発しました。ボタン部分にホコリが溜まるという長年の課題も同時に解決されています。常識を覆すリモコンのデザイン性の革新により、ソニーのテレビは、インテリアにこだわる人から高い支持を得ています。

 

伏せ置き型リモコン

画像引用元:ソニー株式会社HP(https://www.sony.co.jp)

タッチパッドリモコン

画像引用元:ソニー株式会社HP(https://www.sony.co.jp)

■台所洗剤

使用中の台所洗剤は、収納することはなく、必ず目につく場所に置かれる商品です。しかし、商品名が大きく書いてあったり、カラフルで目立つデザインのパッケージがほとんどで、インテリアにこだわる人にとっては目障りとなるアイテムです。デザイン性に優れた詰め替えボトルに移し替えて使用する人もいますが、面倒に感じている人は少なくありません。そこで、モダンなデザインの台所洗剤があってもいいのではないでしょうか。成分表示などはモノトーンでボトルの下方に集約し、もしくはペットボトルのラベルのように剥がしやすい表示ラベルを採用して剥がして使用できるようにし、全体的にデザイン性に優れたボトルにすることで、潜在需要にアプローチできるはずです。

 

■歯磨き粉

歯磨き粉は、洗面所の目につく場所に置かれることの多い商品です。しかし、商品名が大きく書いてあったり、カラフルで目立つデザインのパッケージが多く、インテリアにこだわる人にとっては扱いにくいアイテムです。特に低価格帯のスタンディングタイプの場合は、派手で目立つ商品ばかりです。そこで、モダンなデザインの低価格帯の歯磨き粉があってもいいのではないでしょうか。商品名や成分表示などは裏面に集約し、表面はモダンなデザインのパッケージにすることで、インテリアにこだわる人の心を掴めるはずです。