セールスアイデアパターン

受注生産品の製造過程を発信


受注生産品は、既製品とは異なり、消費者の希望に沿った商品を届けることができるため、価格が高くても一定の需要が見込まれます。一方で、注文を受けてから製造するため、納品までに時間が掛かるケースがあり、納期まで待てないという理由から妥協して既製品を購入するという人もいます。そこで、納期までの時間を長く感じさせない工夫として、商品の製造過程を注文した顧客に日々発信し、納品までの時間をむしろ楽しませるというセールスモデルです。製造過程を発信することで、製品の品質に対する安心感を与えることもできます。

■気仙沼ニッティング

気仙沼ニッティングは、セーターなどの手編みのニットアパレルを、受注生産で販売しています。ひとつひとつ丁寧に作られた高品質の手編みの商品は、価格も高価で、15万円のセーターもあります。受注生産のため、納品まで時間がかかりますが、編んでいる途中の様子がメールで届けられ、待っている間も顧客はワクワクしながら待つことができます。受注生産でありながら、顧客に納品までの時間を長く感じさせない工夫と、手編みの高い品質が人気を集め、200人待ちの2年待ちという状況にまでなっています。

■住宅

住宅には、建て売りや注文住宅などがありますが、注文住宅は自分の理想とする住宅を建てることができる反面、注文を受けてから建設するため引き渡しまで長い期間を要します。そこで、建設中の住宅の様子を写真や動画に記録し、顧客に日々発信することで、建設中も日々作られていく自分の家を見ながら楽しみに待つことができるのではないでしょうか。写真や動画は購入者専用のサイトにアプロードし、顧客はログインをしていつでも建設状況を見ることができます。建設途中の状況が見られるため、信用にもつながり、他社との差別化もできるはずです。

■革靴

革靴のオーダーメイドは、デザインや素材を自由に選ぶことができ、自分の足に合った世界でたったひとつの革靴をハンドメイドで作ることができるため、非常に人気があります。しかし、足の型取りから完成まで、1ヶ月から2ヶ月程度を要するのが一般的です。そこで、靴が作られていく過程を写真で記録し、顧客にメール配信をすることで、完成までの期間を楽しんでもらうことができるのではないでしょうか。通常、革靴の製造過程を見る機会はなかなかありませんし、自分の靴ができていく様子を見ることができるのは、大きな楽しみにもなるため、顧客の満足度が向上するはずです。