メニューアイデアパターン

容器を変える


外食店で提供される料理の種類はたくさんありますが、使用される食器はメニューごとに常識的に決まっており、店舗によって大きく異なることもありません。この料理は、この食器というように、常識と考えられる食器の選択肢の範囲が限定されているのです。そこで、あえて常識の枠を超えて、食器の種類を変えてみることにより、全く新しい世界観を演出することできるという、メニューアイデアパターンです。

■マス入りティラミス

鎌倉にあるもみじ茶屋は、マスに入った抹茶ティラミスを提供しています。ティラミスは非常に人気のあるスイーツで、皿に乗せたりカップに入れて提供されるのが一般的ですが、日本酒を入れるマスに入った状態で提供されます。木で作られた日本的なマスに、日本的な抹茶味のティラミスを入れるという、従来の常識をは全く異なる容器に変えることで和の雰囲気を演出し、全く新しい世界観が広がっています。鎌倉という土地のイメージとも合致し、容器を変えるだけという単純な発想でありながらも、注目を集めるメニューとなっています。

画像引用元:株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングスHP(https://www.create-restaurants.co.jp)

■どこでもスイーツ缶

トーヨーフーズ株式会社は、缶詰のスイーツ「どこでもスイーツ缶」を販売しています。各種カップケーキをはじめ、チーズケーキ、ガトーショコラなどがあり、賞味期限は2年間です。しっとりとしたケーキが長期間保存できるという缶詰形態のメリットを活かした商品で、災害時でも、いつでもどこでもすぐにケーキが食べられるため、スイーツ好きの人は、とりあえずストックしておこうと考える人も増えています。

画像引用元:トーヨーフーズ株式会社HP(https://www.toyofoods.co.jp)

■ワイングラス入りティラミス

ティラミスは、イタリア発祥で日本でも非常に人気のあるスイーツです。一般的には、皿に乗せたりカップに入れて提供されますが、より洗練されたスイーツの印象を与えるために、ワイングラスに入ったティラミスがあってもいいのではないでしょうか。大きめのワイングラスに入れ、長めのスプーンで食べるスタイルです。容器を変えるだけでも印象は大きく変わり、ワンランク上のスイーツを演出できるはずです。

■すり鉢入りタコのマリネ

タコのマリネは、タコと野菜などを、酢やオリーブオイルで和えた料理で、一般的には皿や器などに盛り付けられます。そこで、容器を大きく変えて、小さめのすり鉢にタコのマリネを入れて提供してみてはいかがでしょうか。すり鉢は、ごまをする時に使われるもので、日本の伝統的な陶器ですが、あえて洋風メニューと合わせる斬新さだけでなく、タコが食器に張り付いて食べにくいという課題が解消されるメリットもあります。また、最後にすり鉢の溝に酢が溜まるため、最後まで酸味が強すぎず、適度な味わいを楽しむことができるというメリットもあります。

■コーン入りモンブラン

モンブランは、タルト生地などの上に生クリームをホイップし、その周りを栗を使って作られたペーストをらせん状に絞り出して覆ったケーキです。そこで、らせん状の山型のケーキであるという外観上の特徴を活かし、ソフトクリームのように、コーンの上に乗せてみるのもいいのではないでしょうか。ソフトクリームのように、片手で歩きながら食べられるモンブランというのも、斬新で、一定の需要が見込めます。容器と言うより土台の変更になりますが、何に入れるのか、何に乗せるのかという視点を変えるだけで、メニューの価値を大きく引き上げることができるのです。