ビジネスアイデアパターン

定額で利用し放題


定額料金で利用し放題のサービスは、多くの業態で取り入れられています。WEBサービスとしてはサブスクリプションとも呼ばれ浸透していますが、リアル店舗への導入も進んできました。月間や年間の契約で、固定金額を支払えば、契約期間はサービスを自由に利用することができます。サービスの利用回数や利用量が増えると金額も増えていく従量課金制とは、全く逆の仕組みです。利用者としては金額を気にすることなく自由に利用できるため、ストレスフリーであるという利点があり、サービスを提供する側としては、契約者数がそのまま売り上げとなるため売上計画が立てやすいという利点や、先払いで集金できるため資金繰りがしやすいという利点があり、双方にとってメリットの大きいビジネスモデルです。

■東京ディズニーリゾート

東京ディズニーリゾートは、年間パスポートを販売しています。そもそも、東京ディズニーリゾートは、以前はアトラクションごとに料金が発生していましたが、その後、ワンデーパスポートを購入して入場すれば、一日中アトラクションは乗り放題という定額で利用し放題のシステムに変更されました。更には、年間パスポートという年間乗り放題のサービスが提供されるようになりました。それにより、金額を気にすることなくいつでも自由に足を運ぶことができるという、ディズニー好きには嬉しいシステムとなり、購入者は増加しています。テーマパークにパスポート制度を導入した、先駆け的存在です。

■Provision(プロヴィジョン)

Provision(プロヴィジョン)は、六本木にある定額制のフレンチレストランです。定額の月間会員制で、会費を支払い会員になれば、1ヶ月間何度でも来店でき、いくらでも食事をすることができます。既存の会員から紹介を受けて会員になる紹介制で、会員になれば、店舗に予約を入れて利用します。何度も利用する顧客がいる一方で、会員になっていても1ヶ月間一度も来店しない顧客もいるため、トータルで十分に利益があがります。また、先払いで会費を徴収できるため、食材などの資金繰りにも余裕が持て、面倒な会計も一切する必要がないため手間がかからず、効率的なビジネスモデルとなっています。

■ゼロcafe

ゼロcafeは、月額3980円で利用し放題のカフェです(価格は変動する可能性があります)。会費を支払い会員となれば、1ヶ月間ゼロcafe全店でコーヒー飲み放題、Wi-Fiや電源も使い放題となります。フリーランスにとってはもちろんありがたいサービスですが、企業の営業マンのカフェ利用料を定額で安く計上することができるため、企業の契約も増えています。定額制にすることのメリットを、最大限に活用したビジネスモデルになっています。また、既存のカフェと提携し加盟店を増やすことにより、ビジネスの拡大を図ることができます。

■野郎ラーメン

野郎ラーメンは、株式会社 フードリヴァンプが運営するラーメンチェーン店です。「1日一杯野郎ラーメン生活」というサービスを提供していて、月額8600円で、1日1杯のラーメンが、1ヶ月間何回でも食べることができます(価格は変動する可能性があります)。毎日のようにラーメンを食べるというラーメン好きの人もいますので、そのような顧客にとっては、気軽に毎日食べられるとあり人気を集めています。ラーメン業界で月額定額制という、これまでの常識にとらわれない、潜在ニーズをうまく捉えたビジネス展開と言えます。

■HEYAPASS

HEYAPASSは、月額定額制のカラオケ歌い放題サービスです。会員となり月額定額料金を支払えば、提携全店で、1ヶ月間歌い放題となります。頻度高くカラオケに行くカラオケ好きにとっては、嬉しいシステムです。解約手続きをするまでは毎月自動的に課金される仕組みになっており、カラオケに行かない月があったとしても課金されるため、全体トータルで利益が出るよう計算されています。

■コリビング

コリビング(co-living)は、株式会社アドレスが運営する他拠点居住サービスです。会員となり固定の月会費または年会費を支払うと、1ヶ月間、展開する全国すべてのシェア住居に自由に泊まることができます。月会員は月額5万円から、年会員は年額48万円からとなっています(価格は変動する可能性があります)。特定の住居を持たずに拠点を移しながら生活するというアドレスホッパーが増えてきている中、このような需要も増加しています。また、人と交流しながら旅行するという需要にも対応できるため、人のつながりや経済の活性化にもつながるビジネスモデルです。

■izumi-cafe(イズミカフェ)

イズミカフェは、株式会社OUENSが経営する、月額定額制のモーニングサービスを提供する名古屋のカフェです。カフェのモーニングセットは多くの店舗で提供されていますが、通勤途中に毎朝のように利用する顧客も多いことから、月額定額制を導入しました。月額4320円で、コーヒー、パン、サラダ、ゆで卵などを食べることができます(価格は変動する可能性があります)。毎朝利用する顧客にとっては金額的にも非常にお得な上、忙しい朝の時間に、面倒な会計が簡略化されることもメリットです。また、お店にとっては、日によって利用する店舗を変えていた顧客を独占できる可能性があり、結果的に売上アップにつながります。

■歯科医院の検診定額サービス

様々な医療機関で健康診断のサービスを提供していますが、健康診断のためにわざわざ病院に行くという習慣はなかなかつきにくいものです。例えば、歯科医院では定期検診を推奨していますが、ほとんどの人は虫歯にならなければ歯科医院に行きません。そこで、年間定額制の定期検診とクリーニングをセットにしたサービスを提供する歯科医院があってもいいのではないでしょうか。定額で先にお金を払っているため、気が向いた時に時々歯科医院に行くという新しい習慣を作ることができます。

■定額制タクシー

一般的なタクシーの料金はメーター制で、距離に応じて従量課金されます。また、空港送迎のように決まった区間を固定価格で運行するタクシーもありますが、特定区間の往復のみに適用されます。タクシーを利用する際に最も気になるのはやはり料金で、メーターが上がっていくのじっと眺める乗客も多くいます。そこで、定額乗り放題のタクシーがあってもいいのではないでしょうか。月額定額制とし、タクシーを利用できる地域範囲や時間帯に応じて異なる料金設定にすることで、採算のとれるビジネスとなり、利用者にとってもお金を気にせずに利用できる利便性の極めて高いサービスになるはずです。また、法人契約を結ぶことも可能かもしれません。

■定額制カラオケ

◇◆このアイデアは現在は類似のビジネスモデルが事業化されています◆◇

カラオケは多くの人に人気があり、高い頻度で利用している人もいます。しかし、当然ながら都度料金がかかりますし、曜日や時間によって金額が異なる、制限時間を気にしながら歌わなくてはならないなど、意外と面倒に感じる部分も多々あります。そこで、時間もお金も気にせずに、好きな時に好きなだけ楽しむことができる、月額定額制のカラオケがあってもいいのではないでしょうか。高い頻度で利用する人にとっては、とりあえず契約しておきたいと思えるようなサービスになるはずです。