ビジネスアイデアパターン
世の中には、使われていない物や空間、施設などがたくさんあります。当初は使われていたものの何らかの理由で現在は使われていない場合や、使用頻度が低いが故に使われていないことが多い場合など様々です。一方で、それらが不足しているという人、使用したいという人もたくさんいますし、アイデア次第では新たな有効活用の方法を見つけることもできます。そのような潜在的課題に着目し、使用していないものを貸してレンタル料を得たいという人と、それらを借りたいという人を橋渡しできる仕組みを構築した、貸すと借りるのマッチング型の仲介ビジネスモデルです。
モノオク株式会社は、自宅に使われていない部屋や余った収納スペースがあるという人と、物の置き場に困っているという人を繋ぐ、スペースを個人間で貸し借りすることができるマッチングサービスを運営しています。貸す側としては、使用していないスペースを物置として貸すことで賃料を得ることができ、借りる側としては、短期間でも貸主と相談して気軽に荷物を預けておくことができる、双方にとってメリットの大きい仕組みです。引っ越しやリフォーム、出張、留学などのタイミングでの利用者が増えています。
あっきぱ「akippa」は、akippa株式会社が運営する、空いている個人宅の駐車スペースを一時利用できるように仕組み化したサービスです。全国には、自家用車を手放したことで駐車スペースが利用されていない家や、自宅の土地が広く利用していないスペースがある家がたくさんあります。このようなスペースを、駐車場として一時利用できるように仲介しています。貸す側としても、空いていた土地で賃料を得ることでき、借りる側としても安く駐車場を利用することができ、双方にメリットのあるサービスです。車で行く目的地が明確で、確実に駐車場を確保しておきたい場合に、事前予約できるため非常に人気があります。また、週末は駐車場が満車になってしまう飲食店や商業施設の近くにこのようなスペースがある場合に、利用されるケースも多くあります。
株式会社スペースマーケットは、空いている施設やスペースを貸し借りすることができるマッチングサイトを運営しています。オフシーズンの球場や、平日の結婚式場など、様々な遊休スペースを貸し出すことができ、パーティーやイベント、会議、展示会、演奏会、写真撮影用など、様々なシーンで利用することができます。他にも、お寺、島、映画館、キッチンスペースなど多種多様なスペースが貸し借りされており、プラネタリウムをプロポーズの場としてレンタルしたというユニークな事例もあります。また、民泊スペースの仲介も、数多く取り扱っています。
寺田倉庫株式会社は、描いては溜まっていく若手画家の絵画を倉庫で無料で預かり、ネット上で公開して個人にレンタルをするという、絵画レンタルのマッチングサイト「BAZART(バザルト)」を運営しています。画家としては、人の目に触れることなく大量に溜まっていく絵画を無料で保管してもらうことができ、更には世の中の目に触れるよう公開してもらうことができ、借りる側としては1ヶ月1300円からという安価で画家の絵画をレンタルすることができ、更には季節ごとに絵画を変えていくこともでき、双方にとってメリットの非常に大きいサービスです。レンタルした絵画が気に入った場合は、購入することも可能で、画家としては作品の販路にもなります。
株式会社マイファームは、耕作放棄地となった農地を体験農園としてレンタルするサービスを提供しています。農家の高齢化、後継者不足により、耕作放棄地となった農地が社会問題化しています。一方、家庭菜園をしてみたいが土地がないという、都心に住む若い世代も増えています。そこで、耕作放棄地を所有する地主から、個人が家庭菜園用に小区画の農地を借りられるような仕組みを構築しました。農家側としては、賃料収入が得られる上に農地としての本来の役割を担うことができ、借りる側としては、農具や肥料なども備え付けられ農園アドバイザーのサポートも受けられる便利で恵まれた環境で農業ができるという、双方にとって大きなメリットのあるサービスです。
友人同士で貸し借りが行われることの多い物として、本、CD、ゲームなどがありますが、借りたい物を身近な友人が持っていない場合も多々あります。そこで、これらを個人間で貸し借りし合えるマッチングの仕組みがあってもいいのではないでしょうか。貸し手は、貸してもいい物をサイト上に登録しておき、借り手はサイト上に登録された物を選んでレンタルすることができる仕組みです。
トランクルームや荷物預かりサービスなどの需要が高まっていますが、長期間トランクルームなどに収納されたままになる物の中には、洋服やバッグなどのアパレルファッション類も少なくありません。どうせ収納されたままになるのであれば、無料で荷物を預かり、サイト上に掲載して第三者にレンタルするという仕組みがあってもいいのではないでしょうか。もちろん、期間内は第三者にレンタルしてもいいという条件のもと、無料で預かります。破損などのリスクに備え、保険機能もサービスに組み込むとよいでしょう。貸す側は、無料で預かってもらえるというメリットがあり、借りる側は、購入しなくても安価で気軽に借りられるというメリットがあります。使われない物を有効に活用できるため、物を無駄にしないという価値も生まれます。