ビジネスアイデアパターン

オフィスで販売


サラリーマンやOLにとって、オフィスは日々の多くの時間を過ごす場所です。ビジネスライフを送る上では、仕事中、帰宅後など、様々な物が必要になりますが、それらを購入する機会は出勤途中や帰宅途中というわずかな時間に限定され、ゆっくりと買い物をする時間はなかなか取れないのが現状です。このような現状に目をつけ、オフィスにいる時間の中で、必要なものを購入することができる仕組みを構築し、オフィスで商品を販売するというビジネスモデルです。

■オフィスグリコ

オフィスグリコは、江崎グリコ株式会社が提供するサービスで、お菓子などの商品をオフィスで販売しています。卓上に置ける専用の小さなボックスの中にお菓子などの商品を入れておき、仕事中や休憩時間にお菓子を食べたくなった時、セルフサービスで購入することができます。代金は、専用の貯金箱に入れます。定期的にスタッフが企業を訪問し、商品の補充と代金の回収を行います。仕事中に小腹が空いた時など、わざわざ外に買いに行く必要がないため、忙しいサラリーマンから、高い支持を得ています。

■パンフォーユー・オフィス

パンフォーユー・オフィスは、株式会社パンフォーユーが提供するサービスで、厳選したパンを冷凍してオフィスで販売しています。地域に根ざした美味しいパン屋を厳選し、そこで作られた焼きたてのパンを冷凍して、美味しさを損なわないよう開発した特殊な袋に入れてオフィスに届けます。契約している企業のオフィスには冷凍庫を無償で設置し、冷凍パンを常時ストックしておきます。昼休みなど、パンを食べたくなった時に冷凍庫から取り出し、電子レンジで温めるだけで、焼きたてのパンを食べることができるのです。価格は200円均一と手頃です。限られた昼休みの時間に、わざわざ外に食事に行かなくても、オフィスで焼きたてのパンが食べられるため、オフィスワーカーの人気が高まっています。パンを製造するのではなく、地域のパン屋の焼きたてパンを冷凍して届けるというビジネスモデルも、支持される要素となっています。

■オフィスおかん

オフィスおかんは、株式会社おかんが提供するサービスで、真空パックの惣菜をオフィスで販売しています。肉じゃが、ハンバーグ、煮物など、様々な惣菜を真空パックに詰め、契約企業に無償で冷蔵庫を貸し出して商品をストックしておきます。ランチの時など、冷蔵庫から好きな惣菜を取り出して電子レンジで温めるだけで、温かい惣菜を食べることができます。価格も1品100円〜200円と手頃です。社員食堂を作ることができない小さい企業が、福利厚生として契約するケースも多く、オフィス街のランチ難民に喜ばれています。また、仕事終わりに惣菜を買って帰る人も増えていて、夕食の一品としても活用されています。

■レトルトカレーと無菌米飯

オフィスでのランチや、帰宅後の夕食など、食事に困っているサラリーマンは多くいます。特に、一人暮らしの若年の男性が多い企業においては、このような課題は顕在化しています。そこで、食事に困った時の定番とも言えるレトルトカレーを、オフィスで販売するサービスがあってもいいのではないでしょうか。レトルトカレーは、定番商品から各地の限定カレーまで、非常に多くの種類があり、飽きることはありません。全国の様々な種類のレトルトカレーを取り揃え、本棚などに縦置きに本のように並べておくことで、少スペースで多品種を販売することができます。常温保管で賞味期限も長いため、オフィスに置くには適しています。また、無菌米飯も併せて販売することで、レトルトカレーとのセット購入も期待できます。

 

企業のオフィスで商品を販売するビジネスにおいては、いかに必要とされているものを販売するか、そして、いかに無駄なく商品を回転させるかが重要です。

 

まず、必要とされている商品の考え方ですが、2つのポイントに絞られます。1つ目は、オフィスで消費する物です。例えば、仕事をしながら飲むドリンクや、昼食に食べるランチなどがあります。その他、オフィスで使用する可能性のある日用品なども該当します。2つ目は、会社帰りに買って帰る物です。どうせ帰りに買って帰るなら、お店に寄るのが面倒だから、オフィスで買って帰ろうという発想です。例えば、晩御飯や、帰宅後に家で使用する日用品などが該当します。

 

続いて、無駄なく商品を回転させるポイントですが、省スペースで多品種を置けること、長期間置いても劣化しにくいことです。食品の場合は、賞味期限が長いことは重要ですし、日用品などの場合はかさばらないことも重要です。特に、買って帰ることを想定する場合は、かさばる物は避けるべきです。

 

このような視点でポイントを絞り、販売する商品と仕組みを考えることで、まだまだビジネスチャンスは多く眠っているはずです。特に、買って帰るという発想を軸にしたビジネスは、競合も少ないため、大きな可能性を秘めています。