ビジネスアイデアパターン
日頃ニュースを見ていると、「社会問題」という言葉を度々耳にします。それらの中には、一時的なものですぐに聞かなくなってしまうものもありますが、長年に渡り根強く残っているものもあります。そのような根強く残っている社会問題こそが、解決に対するニーズは大きいと言えます。そこに目を付け、根強い社会問題を解決するアイデアを事業化するというビジネスモデルです。
リーフラス株式会社は、スポーツスクールの運営を中心に、スポーツに関する事業を広く展開しています。野球、サッカー、バスケットボールなど、様々なスポーツスクールを運営しており、非常に優秀な指導者が質の高い指導をしています。指導者の中には、多くの元プロスポーツ選手がいるのです。スポーツ選手のセカンドキャリアは社会問題化しています。スポーツを極めたプロでありながらも、年齢と共にパフォーマンスが衰え、いずれ引退せざるを得ません。しかし、プロのコーチや監督になれるのはほんの一握りで、せっかくのスキルを活かせる仕事が見つからないのが現状です。そのような社会問題に目を付け、クオリティーの高いスポーツスクールの指導者として採用することで、指導者、受講者ともに、メリットの大きいビジネスになっています。
日産自動車株式会社は、軽自動車のデイズ(DAYZ)に、社会問題となっているあおり運転対策の機能を搭載しました。運転席にSOSボタンを設置し、ヘルプネットセンターにつながる仕組みになっており、24時間体制でサポートを行っています。また、警察にもただちに通報され、現場に急行することが可能です。そのため、万が一自分があおり運転を受けた場合のことを考えると、安心感にもつながる上、このような機能を搭載することで、あおり運転自体が減ることも期待されるため、社会問題対策への貢献が期待されています。
福活ファンドは、一般社団法人MAKOTOと福島銀行が設立した、倒産経験者専用の投資ファンドです。倒産経験者が再度事業を起こして復活しようとする際に、資金調達ができないという大きな問題があり、社会問題化しています。一度事業を起こした経験があるため、事業のノウハウは身に付いているはずですし、一度失敗しているだけに、失敗から学んだことも多いはずです。つまり、再起をかければ成功する可能性が非常に高い人達であるにもかかわらず、過去の倒産が汚点となり、銀行からの融資はほぼ受けられません。つまり、投資をする価値のある人達に対して誰も投資をしておらず、それが社会問題化しているのです。そこに目を付け、倒産経験者にのみ投資をするファンドを設立しました。
高齢者による自動車事故が、社会問題となっています。ペダルの踏み間違えをはじめ、体力や判断力の低下など、様々な要因による予期せぬ事故が多発しています。免許の返納を促すなどの対策も進んでいますが、高齢者に特徴的な事故を防止する機能を自動車に取り付け、事故防止のための徹底したサポートを行う、高齢者用自動車サービスがあってもいいのではないでしょうか。ギアやメーターに書かれた文字を大きくする、ペダルはブレーキのみでハンドアクセルにする、一定以上のスピードが出ないようにする、ボタン一つでコールセンターに連絡できるなどの機能を取り付け、更には不自然な運転操作があった場合はコールセンター側から運転者に連絡できるようなサポート体制を取ることで、事故を減らすサービスを提供することができます。