ビジネスアイデアパターン
必要な物、欲しい物であっても、使用頻度があまり高くない、価格が高い、維持が大変などの理由により、購入するのに抵抗のあるケースが多々あります。そこで便利なのがレンタルですが、レンタルの場合、毎回同じ物や場所を借りられるわけではなかったり、借りる度に面倒な手続きが必要だったりと、デメリットも多くあります。そこに着目し、複数の人で共同所有するというシステムを作り仕組み化したのが、シェアリングというビジネスモデルです。個々の金銭的負担を軽減しながら共同所有し、使いたい時だけ使用できるという大きなメリットが時代にマッチし、様々なジャンルでシェアリングビジネスが広がっています。
カーシェアリングとは、会員が車を共同所有する形で契約をし、使いたい時に使いたいだけ車を利用することができるサービスです。レンタカーとは違い、毎回店頭で面倒な契約をする必要がなく、安く気軽に使えるのが最大のメリットです。購入するには高い金額が必要で、維持費も決して安くないことからマイカー離れが進む中、使用頻度がそこまで低くないカーユーザー層に受け入れられ、大手のレンタカー会社や、パーキング運営会社など、多くの企業が参入しています。
シェアオフィスとは、複数の企業がひとつのオフィスを共同で使用することのできるサービスです。一人一人が決まったデスクを持たなくても、パソコンがあれば仕事ができる職種が増え、オフィスとしての機能を持ったフリースペース複数の企業がシェアをします。ベンチャー企業や、設立したばかりの企業にとっては、経費を大幅に削減することができ、大きなメリットとなります。同じシェアオフィスを利用する企業間でのシナジーが生まれることも多く、広く一般に浸透しています。
ログハウス専門住宅メーカーの株式会社アールシーコアが運営する「フェザント山中湖」は、シェアリングタイプの別荘です。別荘を持つことは誰もの憧れですが、決して安いものではなく、購入したとしても常住するわけではないため不在期間が長く、効率は決してよくありません。そのため、別荘は、シェアリングというビジネスモデルが非常にマッチするジャンルです。タイムシェア別荘という仕組みで、1週間単位で、使用したい分だけ別荘を購入することができます。キッチン用品やタオルなども用意されていて、清掃もしてくれるため、気軽に別荘ライフが楽しめます。
スイーツのお店を出してみたい、カフェをやってみたいなど、飲食店の経営を夢見る人は少なくありません。しかし、本格的にビジネスとして開業するのではなく、趣味レベルでの出店をイメージしている人が多いのが実態です。実際、趣味レベルで出店するには、店舗物件の問題や経費の問題があり、現実的ではありません。そこで、店舗物件を共同で所有する、シェア店舗という仕組みがあってもいいのではないでしょうか。趣味レベルで飲食店を出したいという人が店舗物件をシェアし、曜日ごとや時間帯ごとに使用する人を割り当てます。例えば、月曜日はAさんのカレーショップ、火曜日はBさんのカフェ、水曜日はCさんのラーメン屋、そして深夜はDさんのバーというように、同じ物件を共同でシェアするのです。これにより、コストを抑えて自分の好きな飲食店を出すことができますし、来店する顧客にとっても、日替わりで違うものが食べられるという面白さもあります。
プロ野球などのスタジアムには、シーズンシートというものが存在します。企業などが所有している場合が多く、年間通して決まった席を確保することができ、ビジネスにおける接待などで利用されます。多くの場合、試合の見やすい高価格帯の席ですが、ビジネス上での利用となるため、誰も使用しない試合もたくさんあります。つまり、非常にいい席が空いた状態になっているのです。そこで、シーズンシートを複数企業でシェアできるサービスがあってもいいのではないでしょうか。シェアシートとしての区画を複数企業で共同所有し、利用したい時にその区画内で利用できるようにすることで、空席を減らすことができ、企業の負担額も抑えることができます。