ビジネスアイデアパターン

特殊機器の利用サービス


日常生活やビジネスにおいて、特殊な機器、高額な機器を利用したいという場面もあります。しかし、自分で購入するほどの頻度では使用しない、高額なため資金面で困難、メンテナンスが難しい、大きすぎて置く場所がないなどの理由で、購入できない場合が多くあります。そのようなニーズに応えたのが、需要のある特殊機器を取り揃えて常設し、料金を支払えば自由に使用できるように解放するというビジネスモデルです。専門的な特殊機器が自由に使えるという便利さから、様々な分野に広がっています。

■3Dプリンタ

モノ作りには今や欠かせない3Dプリンタですが、ベンチャー企業や個人事業主にとっては、なかなか手の届く機器ではありません。3Dプリンタを用いたサンプルの試作を受託している会社は多くありますが、やはり自分自身で作りたいという思いは誰もが持っています。そのような課題を解決したのが、秋葉原にある工作スペース「創造空間ナノラボ」です。最初に3Dプリンタの使い方の講習を受ければ、受講後は自由に使用することができます。料金は、利用時間に応じて加算される仕組みです。ベンチャーや個人のメーカーにとってはなくてはならないサービスで、多くの利用者に活用されています。

■DIY機器

ホームセンターチェーン大手の株式会社カインズは、DIYコーナーを充実させ、専門的な機器を取り揃えた工作室「CAINZ工房」を設置しています。レーザーカッター、3Dプリンター、溶接機など、様々な専門機器が揃っていて、講習を受ければ一般の人でも自由に使用することができます。DIY市場が拡大する中、より高度な工作を行う人が増え、一般の人にも専門的な機器の需要が生まれてきたことに目をつけたサービスです。カインズで材料を購入すれば、一部の機器は無料で利用できるため、材料の売り上げも大きく伸びています。

■スモークハウス

スモークハウスは、ソーセージ、ベーコン、ハムなどを製造するのに欠かせない機器です。様々な食材を燻製にすることができる家庭用の小型機も存在しますが、本格的な加工をするためには、やはり大型のスモークハウスが必要です。しかし、街の小さな精肉店が大型のスモークハウスを持つのは容易ではありません。そこで、スモークハウスを自由に使用することができる施設があれば、小さな精肉店でもオリジナル商品を製造することができるため、大きな需要が見込めるのではないでしょうか。また、食肉加工用の様々な専門機器を取り揃えることで、利用価値も更に高まります。

■ピザ釜

ピザ釜は、高温で短時間で焼き上げる本格的なピザを作るには欠かせない機器です。小型の簡易的なピザ釜も多く存在しますが、本格的なピザを作るには、やはり大型の石窯が必要です。そこで、大型のピザ釜を自由に使用することのできる施設があれば、ピザ釜はもちろん、店舗すらも持たずに、テイクアウトや宅配の本格的なピザ店を開業することができるのではないでしょうか。高額の資金がかかる本格ピザ店の開業が、安価に低リスクで実現できるため、スタートアップには最適の施設です。