商品アイデアパターン
世の中には、業界常識として色が決まっている物がたくさんあります。この商品はこの色という、いわば固定概念のもと、当たり前のように決まった色になります。特に、当たり前のように白い物は多く存在します。その色でなくてはならない理由がはっきりしている物もありますが、そうでない物も多く、あえて色を変えてみることで、別のメリットが得られる場合もあります。このように、決まった色にとらわれず、色を変えることで新たな価値を生み出すという商品アイデアパターンです。
綿棒は、白い色が当たり前の商品です。昔から、全ての綿棒が白い色で、その色を変えようという考えは全くありませんでした。しかし、綿棒を使用した耳掃除において、黒い色をしていた方が、耳垢が明らかに見やすいことから、黒い綿棒が誕生しました。平和メディック株式会社が開発し、現在では多くの企業から発売されています。耳垢が見やすいというメリットが、掃除をしたという心理的満足感も向上させるため、一度使用すると離れることができない、大ヒット商品となっています。
マスクは、白い色が当たり前の商品です。清潔感の感じられる白い色がこれまでの常識で、その色を変えようという考えは全くありませんでした。しかし、白いマスクは医療用品としてのイメージが強いため、ファッション性のある黒いマスクが発売され、現在では多くの企業が販売しています。黒くすることにより、アクセサリー感覚でつけることができ、人気を集めています。また、マスクの内側に口紅が付いても目立たないなどという副次的なメリットもあり、高く評価されています。
アンファミエは、株式会社ナースステージが展開する、白衣などのナース服のブランドです。従来は、白一色で味気ないシンプルな印象の白衣ばかりでしたが、アンファミエの白衣は、デザイン性があり、ファッショナブルでかっこよく、看護師から絶大な人気を集めています。あくまでも仕事服という位置付けだった白衣に、ファッション性を追求することで、職場でもおしゃれな服を着たいという潜在的なニーズを確実に捉えています。
画像引用元:株式会社ナースステージHP(https://www.infirmiere.co.jp)
ワイングラスは、透明であることが常識で、汚れひとつなくきれいに磨かれて使用されます。しかし、美しい透明だからこそわずかな汚れでも目立つもので、特に、口紅が縁の部分に付くことを気にする人も少なくありません。そこで、きれいな透明でありながらも、縁の部分だけを黒くしたワイングラスがあってもいいのではないでしょうか。縁に付いた口紅が目立たなくなる上、デザイン性にも優れ、高級レストランなどでの需要が見込めます。