セールスアイデアパターン
商品を購入する場合、ある一定の数量や個数がはじめからセットになって販売されており、その数量や個数単位でしか購入できないものは多くあります。しかし、その数量を購入しても使い切れなかったり、結局自分で小分けにしてから少しずつ使ったりというケースは少なくありません。そのような課題に着目し、業界常識として一定の数量がセットになって売られているものを、小分けにして販売するというセールスモデルです。
ハンズマンは、株式会社ハンズマンが九州を中心に経営するホームセンターです。ハンズマンに行けば必ずあるというコンセプトのもと、圧倒的な品揃えを誇り、年間に数個しか売れない商品が大半を占めるという徹底ぶりです。そして、それ以上に特筆すべきは、臨機応変に対応するバラ売りです。はじめからバラ売りの商品もありますが、もともとは袋入りの商品までも、顧客が必要としていれば袋を開けてバラ売りで販売しています。釘は1本から、手袋は片方だけ、顧客の要望があれば袋を開けてバラ売りするのです。顧客の要望に徹底して応じるバラ売り戦略で、多くの熱烈なファンを獲得しています。
株式会社プレコフーズは、食肉の卸業者です。従来の食肉卸業者と言えば、大きな肉の塊を大量に納品するのが常識でしたが、プレコフーズは、取引先が必要としている数量だけを臨機応変に小ロットで販売しています。グラム単位の販売はもちろん、スライス肉やひき肉に加工して納品することも可能です。個人経営の飲食店にとっては、必要数量を必要な形態で購入できるという利便性は非常に大きなメリットとなるため、多くの取引先から高い支持を得ています。
タバコは通常、20本入りの箱が1箱単位で販売されています。しかし、たまにしか吸わない人や、1箱の価格が高いと感じる人にとっては、20本もまとめて購入したいとは思いません。そこで、タバコのバラ売りという販売方法があります。特に1箱まとめて購入するお金のない人が多い、東南アジアや中南米などの途上国においては、バラ売りが当たり前で、1本単位で購入することができます。必要な時に必要な分だけ安価に購入することができるという利便性が受け、途上国における常識の販売方法になっています。
お米は通常大きな袋に入れられて、2キロ、5キロ、10キロ単位で販売されています。しかし、一人暮らしの世帯や、お米をあまり食べない世帯にとっては、最も少量の2キロでも多く感じます。そこで、1合単位のバラ売りがあってもいいのではないでしょうか。約150グラムの1合ずつ、小袋に小分して販売することで、お米を食べたい時に必要な分だけ購入することができ、計量カップでお米を計量する必要もなくなるため、利便性は大幅に向上し、多くの潜在ニーズに応えることができます。無洗米の1合小分け袋を100円ショップで販売するなど、従来の大袋のお米と比べ、販路の拡大も期待できます。
箸は通常、1膳単位で販売されています。つまり、2本で1セットです。しかし、1本だけ先端が折れてしまった時など、1本だけ購入したいケースも必ずあります。そこで、1本ずつ販売してみてもいいのではないでしょうか。もちろん、最初は2本セットで買いますので、2本セットの場合は割引価格とし、1本だけ欲しい場合は1本だけ購入することができます。また、異なる柄の箸を組み合わせて使うという選択肢も出てくるため、1本単位の販売をすることで、デメリットはなく、様々なメリットが得られるはずです。